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すでにそのときには、今の目の前にいる彼など眼中になく、気持ちは未来の彼に飛んでいることでしょう。 女性は、結婚すれば子どもを立派に育てる宿命があるため、実力のある男を求めるのは、自然の法則なのです。そのため、経済力のある男性に乗り換えるときには、前の彼に同情する気持ちなど一切持ちません。これは自然界における種族保存の本能なのです。 一方、男は、たとえ前の彼女と別れる事情がいろいろあったにせよ、前の彼女を嫌いになることはないのです。 今の彼女とつき合っていても、前の彼女とはよい関係を引きずっていたいものです。それが子孫繁栄につながるからです。 さらに、男性と女性で大きく違うのは、女性は自分が冷たく振った前の彼と、ヨリを戻すようなことは考えませんが、男性は前の彼女との復縁を望むことがしばしばあります。 このように男は別れる事情があったにせよ、未練がましさを残してしまい、たとえ別れても大切な想い出として脳裏にインプットしてファイルとして残しておくのです。 これまでの交際期間で経験したさまざまな想い出が、鮮明によみがえり、「あのときは君と初めての熱いキスをしたね」、「悲しい映画が見ながら二人で涙ぐんだね」などと、ロマンチックな想い出に浸ってしまうのです。 そこで、「やはり別れるのをやめよう」と決心が鈍ります。つまり、優柔不断なのです。 こんなに素敵な想い出があるのに、別れを切り出したら、彼女がどんなに悲しむだろう。彼女の笑顔が涙で曇るんじゃないかと。そう思うだけでとても別れようとは切り出せません。 男性は女性が思っている以上に感傷的であり、自分がかわいいくせに、相手の女性のことを考えてしまうのです。 とにかく二人で過ごしてきた想い出の数々が、自分よりも相手に重くのしかかると錯覚するのです。それは、「彼女を守るのは俺だ」という想いを、最後の最後になってもしっかりと抱えているからです。その彼女を自分が悲しませることに耐えられないのです。 女性にとっては信じられないかもしれませんが、男は本気でそう思っています。それが決断を鈍らせているのです。 女性は別れを予感したら、気持ちはすでに次のステージに向かっており、未来を見ているのです。女性は自分が生きていくために、現実をしっかり受け止めて歩くようにできているのです。感傷に浸ることはありません。 でも、男は、今日を最後に会うことがなくなっても、自分の脳裏から消え去ることはなく、折に触れて脳裏から呼び戻して感傷に浸るのです。 |
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